花粉症の最新治療であり、唯一根治可能な治療法である減感作療法の皮下接種(注射)を2018年夏から開始しました。
現在もスギ(花粉症)とダニ(喘息やアトピー)の免疫注射を月1回程度続けています。
元々は私が花粉症を治療するために始めたのですが、酷いアレルギー体質の娘も減感作療法を始めて既に3年が経過しました。
娘は花粉症ではありませんが、幼い頃から酷いアレルギー体質で、将来喘息には気をつけなくてはいけない!と主治医に言われ続けていたのがきっかけです。また生後まもなくからアトピー性皮膚炎を発症し、減感作療法はアトピーにも効果があるかも?!という期待もあり、治療を開始しました。
結論から言いますと、娘のアトピーはかなり改善し、見た目はアトピーと分からないレベルまでとなりました。
本記事では、娘の減感作療法の経過報告と娘が試したアトピーに効果があるビオチン療法やスキンケア用品も合わせてご紹介します。
酷い花粉症の症状がほぼ出なくなった私の減感作療法体験談はこちらの記事をご参照ください。
Contents
アレルギー既往歴
生後まもなくアトピー性皮膚炎と診断。皮膚の状態は常に悪く、ステロイド軟膏と保湿剤は欠かせませんでした。
乳製品、小麦、卵アレルギーがあったため、離乳食~3歳頃までは食事制限もしていました。
幼稚園に入園後、食物アレルギーは徐々に良くなり、生卵以外は食べられるようになりました。
しかし、定期的にしていた血液検査の結果が驚異的な数値をたたき出しました!(小学校低学年)
小児科医が深刻な顔で「喘息は出ていない?かなり重度のアレルギーですよ」と心配するほどの数値でした。
成人の基準値が170IUのところ、7,000IU超えですから、それはもう重症です。
しかし、これといった治療法はないので、粛々と日々のスキンケアをするしかありません。
※ちなみに息子もアレルギー体質でして、現在「舌下免疫療法(錠剤)」をしておりますが、息子のIgE抗体は4,000IUです・・・
遺伝でしょうか・・・家族皆アレルギー体質です(涙)
成人の基準値は170 IU/ml以下
1歳未満 20 以下
1~3歳 30 以下
4~6歳 110 以下
7歳以上 170 以下
運動誘発性アナフィラキシーショック
小学校入学後、アトピーは、首の後ろ、膝の裏側と肘の内側ぐらいで大分軽減し、食物アレルギーも落ち着きをみせていたところ、小学2年生のときにアナフィラキシーショックで救急搬送されました。
甲殻類を食べた後の運動誘発性アナフィラキシーショックと診断を受けました。
エビやカニが入ったチャーハンを食べた後に走り回ったのが原因です(友達と遊んでいた)
見る見る内に顔がはれ上がり、全身地図のような蕁麻疹が表れ、咳が出るようになりました(呼吸が苦しい)
初めてのことでどうして良いか分からず・・・少し様子を見ましたが、外出先の駅で救急車を呼んでもらい、救急搬送されました。
救急病院では、注射と点滴の治療を行い、幸いすぐに回復し、帰宅することができました。
10年以上経った今でも、この時のことを思い出すと胸が苦しくなります・・・
実は、娘はそれまで普通にエビを食べていました。特にエビフライは好きだったので家庭で日常的に食べていたのです。
当然、エビとカニ入りのチャーハンも問題ないと思って外食したのですが・・・
「運動誘発性アナフィラキシーショック」とは、普段食して問題ない食材でも、食後に運動することで(血の巡りが良くなることで)誘発されて起こるショック状態のことです。
幸い娘は呼吸困難には至らず、救急隊の対応が早かったこともあり大事に至りませんでした。
当時は「運動誘発性アナフィラキシーショック」のことは全く知らなかったので、驚きとショックを受けました。
予防する方法は、とにかく「食後2時間は大人しくする」 これに尽きます。
さらに予防するには、「アレルゲンになる食材は食べない」ことです。
しかし、普段食べて問題がない食材ですので、食材を特定するのはなかなか難しいです。発作が起きないと分からないとも言えます。
主治医からは「アレルギーが起きやすいエビやカニだけを気をつければよい」と指示がありました。
(一般的には、小麦や果物もアレルギーが起きやすい食材です)
小学生では、給食直後の昼休みに校庭で遊んだり、5時間目に体育があったりするのでなかなか大変でした。
公立小学校・中学校のアレルギー対応
救急搬送後、主治医に相談し、学校側に以下のことを要望しました。
- エピペンを病院で処方してもらい携帯する→学校側にも周知
- 甲殻類の除去給食に対応してもらう
校長先生や学年主任などを交えて何度か話し合いが行われ、幸い学校側には快諾していただきました。
万が一のときは教師がエピペンを打つということになりました。
給食の除去食は、他にもアレルギー持ちのお子さんがいらしたので、迅速に対応していただけました。
幸いエビやカニが出る給食は、月2回ほどでした。その日は除去食の対応となり、エビやカニがメインのおかずになる場合は代替品を準備できないので、自宅からおかずを持参しました。
その後3年ほど海外駐在をしました。日本人小学校はお弁当持参でしたので、ある意味安心でした。
帰国後は公立中学校に通いました。小学校同様の対応をしてもらいました。
宿泊行事なども除去食の対応をしていただけたので安心できました。
ちなみにエピペンの管理ですが、高校生になると自己管理するのが一般的とのことです
高校では、常に携帯し、何かあったら自分で打つスタンスです。
エピペンを交換する度に、打ち方を忘れないように練習しました(笑)
娘は高校在学中に1年間、イギリスに留学しました。
親の管理下でなくなるため、非常に心配しましたが、何事もなく過ごすことができました。
イギリスでは、日本以上にアレルギーに対する認識が高く、またエピペンも周知されているので、スムーズに受け入れてもらいました。
イギリスの学校では、学校側でエピペンを1本保管するシステムとなっており、教師やスタッフの誰もが対応できるように、また間違えて打たないように「顔写真」と共にエピペンが保管されていました(笑)
娘自身は別にエピペンを常に携帯しました。
現在も毎年エピペンを処方してもらい、娘はどこへ行くにも必ずエピペンを携帯しております。
幸いアナフィラキシーショックを含め、アレルギー症状が出たことは一度もありません。
エピペンの出番もなく、未使用品を毎年交換しているので親としては嬉しい限りです。
(エピペン代金:保険3割適用で7,000円ほど。定価1万円程度)
減感作療法とは?
私が通っている内科で勧められたのが「減感作療法(免疫療法)」です。
娘が幼い頃からアトピーで苦しんできたので、この手の免疫療法にはものすごく敏感な私。
胡散臭い!!笑
しかし、色々調べると以前からアレルギー症状を和らげる治療法として用いられていることが分かりました。
花粉症は、スギなどの花粉に反応して症状があらわれます。体内にアレルギー物質(スギエキス)を入れて、徐々に体を慣らしていく治療法です。
食物アレルギーの治療と同様で、最初は少量のアレルゲンである食物を食べ、徐々に免疫をつける治療法です。
(娘もほんの少量の卵から食べさせ、免疫をつけた記憶があります)
花粉症に関しては、唯一花粉症が根治する治療法といわれています。
主治医は、喘息にも効果があるし、アトピーも軽減すると学会では報告されているとおっしゃいます。
アトピーに効果があるかも???
アトピーへの期待は置いておいて、娘は将来的に喘息になるかも!と幼い頃から言われてきたので、予防になるのであれば!!とすぐに治療を開始しました。
<メリット>
- 効果が持続する
- 治癒(根治)の可能性がある
- 全身副作用は滅多にない
<デメリット>
- 効果の発現は遅い
- 3年以上続ける必要がある
①舌下免疫療法メリット:自宅で治療ができる(通院は月に1回程度)
デメリット:3年以上毎日薬を飲まなくてはいけない
(舌の下に薬剤を1分保持して飲み込む)
②皮下免疫療法(注射)メリット:維持量(投与開始後4-5ヶ月※)に達したら70%ほどの治療が終了※投与の頻度による
デメリット:両腕に注射をするので痛い、通院が面倒
治療について
減感作療法については、私の体験談の記事に詳しく記載しております。
減感作療法には、自宅でできる「舌下免疫療法(薬剤を舌におく)」と「皮下免疫療法(注射)」があり、どちらも効果は同等と言われています。
娘は皮下免疫療法(注射)を選択しました。
治療を始めた頃は、高校生(受験生)で忙しかったのですが、何とか週1回は通院できること、自宅でできる舌下免疫療法で万が一アレルギー症状が出た場合のリスクを回避したかったのが理由です。
薬剤を注射し、維持量に達するまでは週1-2回通院する必要があり、一番大変なときです。
維持量に達する時期というのは人それぞれ違い、維持量に達したと判断する目安は、接種後の腫れや赤みが5cm程度になったとき。
この時点で70%の治療が完了したと思ってよいと言われたので、これを目標にしました。
実は私より後に治療を始めた娘の方が先に維持量に達しました。
アレルギー体質が酷いから短期間で維持量に達したのかもしれません・・・・
2018年10月から娘の治療がスタートし、維持量に達したのは2019年2月です。
1クールを7回とすると、5クールで維持量に達したので、大よそ35回の注射で維持量に達したことになります。
通院できないことももちろんありましたが、大よそ5ヶ月間、1週間に2回通院したことになります。
維持量に達した後は、2週間に1回→1ヶ月に1回の注射でOKです。
現在治療開始からちょうど3年が経過しましたが、現在も1-2ヶ月に1回は接種するよう心がけています。
治療費
気になる費用は、保険適用で1回600円程度(投与量によります。月始めは1,200円程度)
私の例で大よその費用を算出してみました。
最初は週1-2回の接種が必要→ 月8回接種するとして5,500円
維持量に達するまでに約7ヶ月(娘は5ヶ月で維持量に達しました。人によります)
↓
- 月8回接種(5,500円)を7ヶ月間 38,500円
- 2週間に1回接種を2ヶ月間 7,200円
- 月1回接種を3ヶ月間 3,600円
- 月1回接種を2年間 28,800円
+
4. その後2年間、28,800円
最初の1年間は費用負担が大きいですが、家族分まとめた医療費が10万円を超えると、確定申告をすることができ、還付金を受けることができます。
減感作療法はアトピーに効果があるか?
娘は生後まもなくからアトピー性皮膚炎になり、中学生から数年間は最も酷かった時期でした。
体、顔、頭と全身が痒く、薬がほとんど効かない・・・ 顔と首は見るからにアトピーの肌でした。
定期的に皮膚科に通い、抗アレルギー剤、ビタミン剤、ステロイド軟膏(ストロング、ミディアム)、患部にあった調合剤、保湿剤と大量の薬を処方してもらいました。
娘の辛い姿を見るのが私もとても辛く、できるものなら変わってあげたいと何度も思いました。
そして、少しでも効果があるものをリサーチし、試せるものは試しました(効果があったものは後述します)
年頃になって見た目が気になるようになったせいか、娘はスキンケアをサボることなく入念に続けました。
色々なことを試したので、減感作療法だけがアトピーに効果があったとは断言できませんが、減感作療法を始めて1年後ぐらいから、肌の調子は安定してきました。そして、現在も調子が良く、スキンケアはかかせませんが、酷いアトピーであったことを忘れてしまうぐらいのレベルまで改善しました。
やはり減感作療法の「ダニエキス」の効果ではないかと思っています。
花粉や喘息に効果があることは立証されていますし、全身に効かせる免疫療法ですから。
ビオチン療法
ビオチン療法は有名ですよね。皮膚科医も勧めています。
免疫異常を改善してアレルギーを起こしにくくする効果があると言われています。
- ビオチン 5,000mcg
- ビタミンC 400mg
- 強ミヤリサン
娘のイギリス留学の間にアトピーが悪化するのを防止するためにビオチン療法を始めました。
幸い娘にはイギリスの湿気のない気候が合ったようで、アトピーは悪化するどころか改善して帰国しました(笑)
しかし、帰国後、また肌の調子が悪くなったので、娘の場合、日本の夏のようなジメジメした気候がアトピーを悪化させるのだと思います。
ビオチン療法は1年半ほど続けました。
医師いわく、効果が出るのは6ヶ月以上継続してからとのことなので、ビオチン療法の効果もあったと思います。
現在はビオチン療法はしていませんが、ビオチンは引き続き服用しています。
(私と私の母も服用中。爪が強くなり、髪の毛が抜けにくくなりました。)
我が家で愛飲しているビオチンはこちらです。
まとめ買いがお得なので、家族で服用しています。
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おすすめのスキンケア用品
アトピーにはスキンケアは欠かせません。娘が長年愛用していて、肌の状態が安定するスキンケア用品をご紹介します。
保湿剤:セタフィル
皮膚科で処方されるヒルドイドでは、娘には保湿力が足りませんでした。実は海外駐在時の皮膚科で処方されたのがセタフィルでした。娘にはとても合っていて、10年ほど愛用しています。
日本では、コストコが一番安いと思っていましたが、最近は楽天市場にセタフィル公式あり、送料込みでとてもお安いので定期的に購入しています。大容量なのも良いです。
冬場は家族でボディクリームとして愛用しています。
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化粧水:ヒフミド(小林製薬)
アトピーの人はセラミドが不足していると言われるので、配合量から探して行きついたのがヒフミドです。実は私の愛用品でもあります。娘には年齢的に合わないかと思いましたが、すこぶる肌の調子が良い!とお気に入りです。
母子で使用しているので、1ヶ月に1本半ぐらい使用します(首までバシャバシャ使っています)
3ヶ月に1回3本届くように定期購入をすると12%オフでお安く購入することができます。
ヒフミド(セラミドⅠ・Ⅱ・Ⅲの3種類を組み合わせた天然型セラミド) 4,700円
乳液:モイスチャライジングセラム50ml(ETVOS)
化粧水のあとの乳液的保湿剤です。5種類のヒト型セラミド配合。
ちなみにメイク用品も低刺激のETVOSを愛用しています。
定価4,400円ですが、定期購入で10%オフ、楽天市場から購入するとポイントも加算されます。
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クリーム:セラマイディン スキン バリア モイスチャーライジング クリーム50ml(Dr.Jart+ )
ETVOSのセラムはとても良いのですがコスパが悪い・・・ということで、ドクタージャルトのクリームを愛用しています。
美容皮膚科でもおすすめされるクリームで、肌の調子がとても良いです。
楽天公式サイトから購入するとフェイスパックのおまけなどが付くので、おまけが楽しみでもあります(笑)
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シャンプー:イオニート
合うシャンプーを見つけるまでかなり時間がかかりました。
一時期は普通のシャンプーを使用すると
頭が痒くなる→ 掻くと皮膚?フケが大量発生する→ 脂が異常に発生する
などトラブル続きでした。
ここ数年は、イオニートシャンプーのさっぱりタイプ使用しており、状態は落ち着いています。
トリートメントをしなくても髪の状態が良いのでお気に入りです。
お値段が高いので、1,000mlの大容量を購入して3ヶ月ほど使用することができます。
またこちらのショップでは、毎回個包装のサンプルをいただけるので、旅行の際に持参できるので重宝しています。
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ミノン薬用 ヘヤシャンプーとコンディショナー
状態が落ち着いているときはミノンでも問題ありません。
夫と息子が使用しており、安価なので助かります。
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綿の手袋
ドラッグストア等に売っている安価なものでOKです。
夜無意識に掻くことがあるので、綿の手袋をして寝ています(朝にはどこかに行ってますが)
メリノウールの下着
下着は綿100%のものを着用(ヒートテックなどの化学繊維はNG)
夏は良いのですが、綿ですと冬が寒い・・・
そこでメリノウールです。
ウール???チクチクすると思われがちですよね。私もそう思っていたのです。
アパレル関係の方とお話する機会があり、目から鱗、ウールは皮膚に良いものなのです(以下引用)
「メリノウールは、肌の隣に着用すると布地と肌の間の湿度レベルと温度を安定させるのに役立ち、
自分の肌が乾燥しすぎている人にとって、第二の肌のように機能する」
アウトドア用品でお馴染み「モンベル」のメリノウールの肌着がおすすめと聞き、早速試したところ「痒くならない、暖かい」と気に入りました。
お値段が4,000円~ほどするのがデメリットですが、良い物は高い! 仕方ありません。
女性用の首回りが開いたデザインなどもあるので、おすすめです。
毎年1-2枚買い足しして大切に着ています。
今現在肌の調子はとても良いのですが、上記の通り引き続きスキンケアは入念に行っています。
スキンケアを怠らない、痒い箇所があれば、ステロイド軟膏やプロトピック軟膏を塗って悪化させないよう気をつけています。
それでも、塗る頻度、塗る面積がかなり減りました → 皮膚科へ行く頻度も減っています(現在は3ヶ月に1度程度)
減感作療法は、現在も継続しており1~2ヶ月に1回程度注射を打っています。
長く打てば打つほど効果が持続すると言われています。
終わりに
アトピーが良くなるのであれば!!と様々なことを試してきました。
娘が小さい頃は、過大広告を信じて怪しい病院に行きそうになるほど、精神的に追い詰められたこともあります。
アトピーの原因に多い「ダニエキス」を体内に入れて、徐々に免疫をつける減感作療法はかなり有効的だったと思います。
花粉も含め、減感作療法をした約80%の人には効果が出るが、残念ながら10-20%の人には効果を感じられないとのことです。
治療してみないと効果は分かりませんが、アトピーで悩んでいる方は、信頼できる医師に相談してみてはいかがでしょうか?
娘が治療を開始した当初は受験生だったので、塾通いもありハードなスケジュールでしたが、何とか時間を見つけて通院しました。
治療開始の最初の半年は大変ですが、そこを乗り切ればあとは楽勝です!(月1回の通院でOK)
ここ数年娘の肌の調子は安定しているので、メイクもできますし、夏場は水着を着て海を楽しむこともできました。
好きな服を着ておしゃれをして大学生生活を楽しんでいます。
こちらでご紹介した内容は、娘には有効でしたが、万人に効果があるものではありません。
そもそもアトピーは、ストレスや環境等様々な要因で改善も悪化もする病気ですので、効果も人それぞれ異なります。
アトピーの娘を持って苦しんできたので、どなたかのご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。